AKB48が、5000人の大観衆を集めて、昨年8月の後楽園ホール大会以来、2回目のプロレス興行を開催した。

 昨年にテレビ朝日系で放送されていた連続ドラマ「豆腐プロレス」の役柄そのままに、リングに登場した。

 第5試合。錦糸町道場の実力派若手同士のシングルマッチ。ヤバクネ谷口対コマネチ湯本の対戦は、アクロバチックな動きが得意な湯本のペースで試合が進んだ。

 最初は、機敏な動きでのお互いの腕の取り合いから始まったが、湯本がコーナーポストに寄り掛かる谷口に、バック転からのエルボーを打ち込むと、続いて肩甲骨を固めたパロスペシャル。

 中盤に谷口がトップロープから飛んで、湯本の背中をマットにたたきつけて、巻き返したが、湯本の勢いは止まらない。場外の谷口に、トップロープからの三角跳びのフライングボディーアタックで、スタミナを奪っていった。エルボーの撃ち合いから、水面蹴りと谷口をフラフラにまで追い込んだ。

 しかし、谷口の目は死んでいなかった。不敵な笑みで立ち上がると、湯本の顔面に当たるほど、高い打点のドロップキックで対抗した。

 ただ、湯本のプロレスセンスはピカイチ。スタナー連発から、必殺技のムーンサルトプレスへ。しかし、谷口が寸前で交わしたため、失敗。自爆した湯本に、谷口が得意技「どどんスズスロウン」(プロレスラー田口隆祐が得意とする相手の腹部に突き出した両膝をめり込ませる技)で形勢を逆転。続けざまに相手の顔面をマットにたたきつける新技「ブレードランナー」を繰り出して、見事な逆転勝ちを収めた。

 初シングル戦で白星をつかんで、マイクを握ると「なんかいつもと違う、ヤバイ私、出ちゃってました? とにかく! ここからが、私たちの時代だ」と、トランス状態の危ない目つきでニヤリと笑った。

 次の決勝の相手は、元パートナーのおだえり。「聞いてるか、おだえり! ウチらやっとここまで上がってきたね。私たちにしかできない試合をみんなに見せてやろう。ねぇ、おだえり」と呼び掛けた。