第79回カンヌ映画祭(フランス)で日本人初の女優賞を受賞した「急に具合が悪くなる」(6月19日公開)主演の岡本多緒(41)が26日、都内の日本記者クラブで濱口竜介監督(47)と会見を開いた。23日(日本時間24日)の授賞式から日が浅く「現実味は一生、湧くことはないと感じております」と率直に語った。

「背が高く生まれ、自分の居場所はどこにあるんだろう」と自分探しをする中、14歳でモデルとしてデビュー。06年に渡仏し、TAOとして世界で活躍した。撮影の中で「設定を自分の中で考えるのが好き」と感じ、13年に米英合作映画「ウルヴァリン:SAMURAI」に出演。「写真やランウェーだけじゃなく体、言葉を使う表現が楽しい」と俳優への意欲が増した。

23年に日本に拠点を移し、現在の名義に変えドラマ、映画で脇役を地道に演じ、並行して企画・脚本・監督した短編映画も製作。その中で出会った「急に-」の準備に10カ月、徹底的に向き合った。快挙達成の意味を聞かれると、同監督と松田広子プロデューサーの元に戻るまで「知らなかった」と明かした。「意味、プレッシャーは正直、感じられていない。皆さんがうれしい、誇らしいと言ってくださることに感激」。無欲の喜びがあふれた。【村上幸将】