NMB48の1期生で、デビュー曲「絶滅黒髪少女」から全6シングルで選抜メンバーに入っている福本愛菜(19)が23日、大阪・NMB48劇場で行われたチームN公演で卒業を発表した。10年10月の結成から2年5カ月、グループからは21人目の卒業者。福本はもともとの夢だったタレントを目指すこともファンに報告。これまでの同グループ卒業者は中高校生で、学業を理由にする者がほとんどだった。バラエティー転身を明言したのは、21人目で初めてになる。

 「ちょっと聞いてください。みなさん、私、福本愛菜はNMB48を卒業します」。アンコール後、終演のあいさつの直前、福本が震える声で切り出した。

 この日の劇場公演には、結成当初からともにチームを引っ張ってきたキャプテン山本彩(19)や、渡辺美優紀(19)、そして、同学年でグループ最年長の山田菜々(20)もそろっていた。アンコールに入った直後、「絶滅-」から最新シングル「北川謙二」を披露中、すでに福本の目は潤んでいただけに、あいさつを始めると、涙がとまらず、手で顔を覆った。

 卒業の理由には、夢だった「バラエティータレント転身」をあげた。昨春には、ABCテレビの日曜正午のコメディー枠「しゃかりき駐在さん」レギュラーに抜てきされ、キングコングらと喜劇に挑戦するなど、活動の場を広げていた。手応えも多かった1年で、逆に、卒業から次の夢へ向かおうとする思いが強くなっていた。

 一方で、昨年の大阪マラソンを初挑戦ながら4時間8分45秒で完走するなど、スポーツは得意だが、ダンスは苦手だった。1度、劇場公演メンバーから外されたこともあり、出番がなくても公演を見に来るなどリベンジに燃え、返り咲く意地を見せ、山本彩らメンバーからは努力家として尊敬されていた。

 この日、福本の卒業あいさつを受け、山本彩は「愛にゃんは、最年長やのに、いじられキャラで尊敬されていた。去年のフルマラソンも完走して、何事もやり遂げる愛にゃんを見てきた。みんな、NMB48がゴールではない。夢を見つけて旅立つのが理想の形。私たちも背中を押したい」とエールを送った。