明大商学部を今春卒業予定だった山下智久(22)が15日、都内で行った初主演映画「クロサギ」の大ヒット御礼舞台あいさつで、留年が確定したことを明かした。04年に一般推薦で入学し、多忙なスケジュールの合間をぬってキャンパスに足を運んだが、わずか6単位の不足で卒業を逃した。覚悟していたこともあって結果を素直に受け入れ、心配するファンにステージから報告する形をとった。今後は9月卒業を目指す。

 観客に「おれは幸せ者だと思います」と映画ヒットの感謝を伝えてあいさつを締めくくったように思えた直後だった。「あ、そうだ」。伝えることが、もう1つあったことを思い出した。「おれ、留年しちゃった」。照れもあり、顔は客席ではなく天井に向けた。「そうだよ、留年したよ~っ!」。やけっぱちのような大声で繰り返すと、客席からは驚きの声が上がった。胸につかえていた思いを吐き出しすっきりしたのか「精いっぱい頑張ってきたんだけど、4単位だけ足りなかった」と落ち着いた声で状況を説明した。

 取得単位不足は、今月10日に知った。大学から封書が届いた。先月下旬、卒業の可能性を問われると「大げさではなく五分五分」と答えるなど覚悟はしていた。だから届いた封書は「潔く開けました」。留年決定を「しょうがないですね」と受け入れた。

 明大商学部には04年に一般推薦で入学。芸能活動との両立は予想以上に厳しかった。ジャニーズの人気グループNEWSのメンバーであり、俳優としてもブレーク。スケジュールは過密になる一方で、ドラマ収録日にキャンパスとスタジオやロケ地を数回往復したこともあった。リポートを徹夜で書き上げ、大学に提出してそのまま仕事場に向かうこともあった。

 卒業論文に問題はなかったが、結局6単位足りなかった。舞台あいさつで「4単位」と言い間違えたのはそれだけギリギリの“攻防戦”だったから。今年に入ってリポート提出や追試、再試験に追われる日が続いていた。

 この日の留年報告は、スタッフと相談した上、山下自身が決断した。「9月卒業の制度があるので、そのへんで卒業したいと思ってます」。順調なグループ活動と初主演映画のヒット。追い風に乗る山下は、留年ショックを引きずらず、今秋卒業を目指す。