米経済誌フォーブスは毎年、世界で最も稼いだセレブのランキングなどを発表していますが、このほど「30歳未満で最も稼いだセレブ」と「世界で最も稼ぐテレビ司会者」ランキングを発表しました。30歳未満のランキングでは弱冠21歳のモデルでタレントのカイリー・ジェンナーが1億6650万ドルでトップに立ち、テレビ司会者では裁判番組「ジュディ判事」の司会を務める74歳のジュディ・シェインドリンが1億4700万ドルで1位に輝きました。今年度のランキングは意外な顔ぶれが多かったといわれていますが、共に並々ならぬ人気スターたちを抜いて1位に輝いた理由はなんだったのでしょう。

キム・カーダシアンの異父妹として知られるカーダシアン家の末っ子ジェンナーは、カーダシアン一家が出演するリアリティ番組「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」にも出演している他、モデルとして多くのファッション誌を飾るなどティーンの憧れの存在。そんなジェンナーは18歳でコスメブランド「カイリー・コスメティック」を立ち上げ、「カイリーみたいなふっくらとした唇になりたい!」と願う女の子たちによってリップグロスやリップライナーが爆発ヒット商品となるなど大成功を収め、今や立派な実業家でもあります。テレビ番組の出演料やさまざまなスポンサー契約、自身のコスメブランドなどで稼いだ総資産はなんと9億ドルといわれ、全米最年少で自分一代で稼いだビリオネア(10億ドル以上の資産を稼いだ人)の仲間入りを果たすのも時間の問題だといわれています。私生活では今年2月に恋人のラップ歌手トラビス・スコットとの間に第1子となる女の子が誕生して公私共に絶好調。2018年度に世界で最も稼いだ著名人ランキングでも元プロボクサーのフロイド・メイウェザー、俳優ジョージ・クルーニーに次いで堂々の3位に名を連ねており、今もっともパワーのあるセレブの一人といっても過言ではありません。

ちなみに30歳未満の長者番付トップ10のうち半数がスポーツ選手で、女性はジェンナーと4位の歌手テイラー・スウィフトのみ。ここでも男女格差が浮き彫りになっています。2位は1億1000万ドルの歌手エド・シーラン、3位はブラジルのサッカー界のスーパースター、ネイマールの9000万ドルで、5位には歌手ザ・ウィークエンドが名を連ねています。

そしてテレビ界では日本ではあまりなじみがないですが、裁判官だった経歴を持つシェインドリンが法廷のセットで自ら裁判官のように人々の訴えを次々と裁いていく人気看板番組の過去の放送分の権利を売却したことでジュディ判事ことシェイドリンが初のトップを飾っています。訴訟社会アメリカらしく、裁判そのものをエンターテインメントとして売りにする同番組は1996年から続く人気長寿番組で、1000万人の視聴者がいるといわれています。シェイドリンは2018年度の世界で最も稼ぐ著名人ランキングでも4位に名を連ねており、名実ともに大御所司会者といえます。2位はアカデミー賞授賞式の司会も務めたABCテレビの人気トーク番組「エレンの部屋」の司会者エレン・デジェネレスの8750万ドル。「エレンの部屋」は人気俳優や歌手が毎回ゲストで登場することで知られ、全米オープン女子テニスシングルスで優勝した大坂なおみ選手もこの番組に出演しています。3位は人生相談番組の司会を務める医師タレントのフィル・マグローの7750万ドルという結果に。ちなみに「最も稼ぐ司会者」といえば真っ先に名前が挙がるのは大統領選への出馬も期待されるオプラ・ウィンフリーで、フォーブス誌の過去20年の「もっとも稼ぐセレブランキング」で16回ランクインしているビリオネアです。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)