90年代を代表するSFアクション映画「ターミネーター」シリーズの最新作「ターミネーター:ニュー・フェイト」が1日(日本は8日公開)に全米公開されました。「ターミネーター2」(91年)の続編となる本作は、シリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロン監督が脚本・製作を担当し、殺人アンドロイドT800を演じるアーノルド・シュワルツェネッガーとサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが28年ぶりにシリーズ復帰を果たした話題作です。本作の見所はなんと言っても63歳になったハミルトンに加えマッケンジー・デイビス演じる新キャラクターの女性戦士グレース、物語の鍵を握るナタリア・レジェス演じるダニーら女性たちの活躍です。まさに「#MeToo」運動で盛り上がる現代を象徴するかのうように強い女性たちが、新型ターミネーターREV-9と対峙する作品に仕上がっています。

大物プロデューサーだったハーベイ・ワインスタイン被告が権力を盾に長年に渡って多くの女優やモデルらにセクハラや性的暴行を行ってきたと告発されたことを発端に起きたセクハラ告発運動「#MeToo」旋風が吹き荒れて早2年。ハリウッドでは着実に女性が活躍する映画が増えています。男性が主役の映画がまだ圧倒的多数のハリウッドですが、「ターミネーター:ニュー・フェイト」以外にも実はこんなにたくさんの女性が活躍する映画がここ数年で公開されています。

●「ワンダーウーマン」(17年)

DCコミックの大人気女性ヒーローが主人公の「ワンダーウーマン」は、DCコミック映画作品として歴代1位を獲得する大ヒットとなりました。最強の女性ヒーローを演じたのはガル・ガドットで、来夏には続編「ワンダーウーマン1984」も公開される予定です。

●「アトミック・ブロンド」(17年)

オスカー女優シャーリーズ・セロンが主人公のアクション映画「アトミック・ブロンド」は、東西冷戦末期のベルリンが舞台。奪われた機密情報リスト奪還を命じられたセロン演じる敏腕スパイが熾烈な争奪戦を繰り広げるストーリーです。

●「ワイルド・スピードICE BREAK」(17年)

大ヒットカーアクション映画「ワイルド・スピード」シリーズ8作目「ICE BREAK」でシリーズ史上初の女性悪役を演じたのがシャーリーズ・セロン。ヴィン・ディーゼル演じる主人公ドミニク・トレットが率いるファミリーの前に立ちはだかる最強で冷酷非道な悪役を怪演しています。さらに本作では最強の殺し屋デッカード・ショウと弟オーウェンの母親役でヘレン・ミレンも出演しており、存在感を見せています。2人は来年公開予定のシリーズ第9作目でも続投することが発表されていますが、セロンを主人公にしたスピンオフも企画中と伝えられています。

●「蜘蛛の巣を払う女」(18年)

世界的に大ヒットした小説「ミレニアム」シリーズの第4作目を映画化した「蜘蛛の巣を払う女」は、クレア・フォイ演じる天才ハッカーとジャーナリストテロリストたちと戦うアクション満載の映画です。

●「オーシャンズ8」(18年)

ジョージ・クルーニーやブラッド・ピット、マット・デイモンら人気スターが集結した「オーシャンズ」シリーズの11年ぶりの新作となった「オーシャンズ8」は、強盗団のメンバー全員が女性で製作されました。主人公はクルーニーが演じたダニー・オーシャンの妹役のサンドラ・ブロックで、アン・ハサウェイ、ケイト・ブランシェット、リアーナら豪華キャストで「女性版オーシャン」として話題になりました。

●「キャプテン・マーベル」(19年)

マーベル・シネマティックス・ユニバース(MCU)初の女性が主人公の「キャプテン・マーベル」は、ブリー・ラーソン主演で強くて美しいMCU待望の女性ヒーローの活躍を描いた作品です。国際女性デーである今年の3月8日に全米公開され、強い男性が正義のために戦う従来のヒーロー映画のイメージを覆した本作は、女性の地位向上に一役買っています。MUCでは、スカーレット・ヨハンソン演じる女性ヒーロー、ブラック・ウィドウの単独映画も来年公開を予定しています。

●「チャーリーズ・エンジェル」11月15日公開予定

キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー主演で製作された「チャーリーズ・エンジェル」シリーズのリブート作品となる「チャーリーズ・エンジェル」は、3人の美女探偵エンジェルたちの活躍を描いた人気アクション映画。本作では、クリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリスカのトリオが美人探偵に扮しています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)