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ハリウッド直送便

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◆千歳香奈子(ちとせ・かなこ) 1972年札幌生まれ。92年に渡米。96年に日刊スポーツ新聞社アトランタ支局でアトランタ五輪取材をアシスタント。99年6月からロサンゼルスを拠点にハリウッドスターのインタビューや映画情報を取材中。

薬物中毒で若くして亡くなるハリウッドスターたち

[2014年2月4日10時41分]

 米映画「カポーティ」(06年)でアカデミー賞主演男優賞に輝くなど演技派俳優として知られるフィリップ・シーモア・ホフマンさん(46)が2日、ニューヨークの自宅で薬物の過剰摂取で亡くなっていたというニュースは、ハリウッドに大きな衝撃を与えています。報道によると、連絡が取れずに心配した友人が自宅のバスルームで死亡しているホフマンさんを発見したと言われています。遺体の腕には薬物を注射したと思われる注射器が刺さったままの状態で、現状からみて薬物の過剰摂取が死亡原因とみられています。

 ホフマンさんは、これまで2度に渡って薬物治療を受けたことがあると告白していました。1度目は22歳の時。その時はきっぱりと薬もアルコールも止め、その後20年以上に渡ってクリーンな生活をしていましたが、44歳の頃から再び薬物に手を出すようになり、昨年5月に再びヘロイン中毒の治療を受けるためにリハビリ施設に入所したことを自ら告白していました。当時の報道では、最初は処方箋薬の服用から始って除々にエスカレートし、最後はヘロインを常用するようになったと伝えられていました。しかし、2度目の治療もむなしく、発見された遺体の近くにはヘロインらしきものが入った封筒が発見されたと伝えられていることからも、やはり薬から足を洗うことはできなかったようです。

 46歳と言う若さでの急死に、ハリウッド中が大きなショックを受けており、俳優仲間からも死を惜しむ声がたくさんあがっています。しかし、ハリウッドでは、ホフマンさん以外にも若くして薬物中毒となるスターが多く、ドリュー・バリモアやロバート・ダウニーJrのように薬物から立ち直って復活できた人もいれば、そのまま溺れて亡くなってしまうパターンも多いのが現状です。

 例えば、近年では、「ブロークバック・マウンテン」(06年)や「ダークナイト」(08年)の演技が絶賛され将来を嘱望されていたヒース・レジャーさんやドラマ「glee/グリー」で知られるコリー・モンティスさんら若手俳優の薬物過剰摂取による死亡が相次いだことは、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。また、過去にさかのぼると、「スタンド・バイ・ミー」(86年)で知られるリバー・フェニックスさんや「ブルース・ブラザース」(81年)で知られるジョン・ベルーシさんら、やはり若くして亡くなるスターが多く、ハリウッドという世界がいかに薬物と密接な関係にあるのかが分かります。特に若くして成功を収めた人ほど、その後の重圧などから解放されるために薬物に手を出してしまうのかもしれません。

(このコラムの更新は毎週火曜日です)

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