故露の五郎兵衛さん(五郎=享年77)の七回忌法要及び追善落語会が23日、大阪・天満天神繁昌亭で発表された。

 3月30日午前10時から、女性落語家だけの「五郎兵衛一門女性大集合」追善興行、同6時30分から、一門による法要を兼ねた追善落語会が、同所で行われる。

 女性落語会は、現役で東西落語界最年長、露の都(59)がトリ。一門女性だけでの大喜利も行われる。

 五郎(五郎兵衛)さんは、戦後、没落していた上方落語を復興させた四天王とともに、埋もれていたはなしを復活させるなど、上方のはなし家隆盛に大いに貢献した人物として知られる。

 人情、怪談、芝居ばなしを得意とし、大阪にわかの伝承者としても活躍した。一方で、上方では珍しく、女性の落語家を弟子にとり、「落語に男も女もない」と、後進を育成してきた。

 その五郎さんのもとで、内弟子修業も務めた都は、男性を演じるにあたり、師匠から「男が女を演じるのは歌舞伎、女が男をやるんは宝塚を参考にしなさい」と言われ、宝塚の映像、舞台を見て、男性の演じ方を研究してきた。

 それゆえ、都は「私、顔に似合わず、私がやったら格好いい男になるんです」と笑わせた。都の奮闘で、一門の弟子にも女性が増え、女性だけの落語会ができるまでになった。

 「女やから、とか、考えてきたわけやないですけど、もともと、女を演じるのは男性よりも上手やと思いますし、年をとってきたら男もええようにやれるようになる気がしています。女の落語家は45歳からやと思っています」

 充実期に入った都は、女性落語会でトリを務め、一門追善会では中入り後に登場し、元気なおばあちゃんの活躍を描く「ハルちゃん」を演じる予定だ。

 「師匠の芸と、形が違いますけど、私が生きているうちは、五郎兵衛の一門を守っていけたらと思っています」と話している。