ジャニーズの舞台を続けて見た。Mr.KINGらジャニーズJr.だけが出演する帝劇「ジャニーズ YOU&ME アイランド」、Six TONES、Snow Manが出演する日生劇場「少年たち」で、ともにジャニー喜多川さん(85)が企画・構成・演出を担当していた。

 2つの舞台を見て、強烈な印象として残ったのが、「反戦」「平和」のメッセージだった。大劇場での舞台、しかもアイドルの公演では、こういうメッセージは極力発しないことが多く、ある意味で「タブー」だった。しかし、ジャニーさんの舞台では、ここ数年、「反戦」「平和」を強く訴える場面が増えている。

 今回の「ジャニーズ YOU&ME アイランド」では、昭和の歴史を振り返る中、太平洋戦争の場面が登場し、特攻隊員にふんしたJr.たちが「母上、お国のために戦ってきます。お達者で」「母さん、必ず帰ってくるから」と言って、特攻機に乗り込む。そして、米空母に突っ込む特攻機の写真が大きく映り出される。敗戦から70年たった2年前から上演されている「少年たち」でも、戦争の場面が登場する。ジェシーが母国に強制送還され、徴兵で戦場に駆り出される。そんな友を思って、岩本照が「戦争がないのが当たり前だと思っているなんて、この国の人だけだ」と叫ぶシーンがあった。

 ジャニーさんの戦争体験が色濃く反映している。米国で日系2世として生まれ、幼い頃に日本に戻り、空襲や疎開など戦争の悲惨さを経験している。空襲を避けるため橋の下に隠れる場面はジャニーさんの実体験だそうだ。数少なくなっている「戦争体験者」だからこそ、今の時代への危機感があるのだろう。

 稽古の段階でジャニーさんは出演者たちに自らの戦争体験を語ったという。「2度と戦争は起こしてはならない」という思いは舞台を通して、数多くの少女たちに伝わっているだろう。軍服が似合わない少年たちによる軍隊の行進の場面がある。そういうことが平気で行われるのが「戦争」だ。将来、母となるだろう少女たちの子どもに「お国のために戦ってきます」と言わせないためにも、この舞台は続けていく意義がある。【林尚之】