小川真由美さんが亡くなりました。86歳でした。映画「復讐するは我にあり」やドラマ「積木くずし」などで活躍しましたが、本籍は舞台の人でした。
1961年、21歳の時に復活した文学座附属研究所に第一期生として入所し、同期には樹木希林さん、橋爪功さん、北村総一朗さん、岸田森さんがいました。63年に文学座は2度の分裂騒動があり、80人を超える中堅座員が退団しました。劇団存亡の危機に注目されたのは小川さんら若手でした。中でも小川さんは65年「おりき」で初主演し、67年「シラノ・ド・ベルジュラック」で昭和を代表する大女優杉村春子さんとのダブルキャストでヒロインのロクサーヌ役に抜てきされました。70年「華岡青州の妻」で杉村さんと姑・嫁の壮絶な戦いを演じ、「杉村さんの後継者」と言われましたが、71年に退団しました。
主な活躍の場は映画、ドラマに移りましたが、舞台も年に1度ほどのペースで出演。81年に文学座で同期だった橋爪さんとの二人芝居「ドリスとジョージ」を取材した時、当初は小川さん一人の予定だったのが、小川さんの要望で二人そろってのインタビューとなりました。質問が小川さんに集中しがちでしたが、小川さんはさりげなく橋爪さんに話を振って、気遣う様子が印象的でした。その後、二人は婚約を発表したものの、数年後に解消しています。
最後に小川さんの舞台を見たのは、2006年の新橋演舞場「和宮様御留」。和宮の替え玉となった少女を追い詰める女官役には怖さ、すごみがありました。その時でまだ64歳でした。その後、芸能界の一線から姿を消しましたが、記憶に残る俳優でした。【林尚之】




