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下坂美織と囲碁しちゃおっ

囲 碁 教 室 美織の囲碁教室

【第6回】効率良い「一間トビ」

1図
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2図
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3図
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4図
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5図
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 前回は「盤の隅の方が陣地を作りやすい」ということをお伝えしました。

 では具体的に、どのように陣地を作ればよいのか。その目安をお話ししますね。

 <1図>。黒が左下隅、白が右上隅を囲っています。9目の地(じ)ですね。注目していただきたいのは、囲うために使った石の数です。黒石は3個、白石は7個。黒の方が効率が良いといえます。ただ、白の陣地は、黒が入る隙間のないほどしっかりしています。それに対して黒の陣地は不確定で、まだ相手に入ってこられる心配があるようにみえます。黒石同士の間があいていますからね。

 では実際に、白が侵入してきたときのことを想定してみましょう。

 <2図>。白が間に割って入ってきました。この場合は周りには味方の黒がいますので、積極的に対応してみたいところです。

 <3図>。味方が近くにいるときには、黒2と外側から相手を封じ込める作戦を考えてみましょう。アタリなので白は3と助けます。続いて黒4。外側から閉じ込めてしまいます。もし、白が5とナナメを切断してきたら…。

 <4図>。△が大切な一手。これによって、白石2つを取ることができます。皆さん「シチョウ」を覚えていましたか? 以上、一例として白が入ってきたときの対抗策でした。このように<1図>の左下隅はほぼ黒地とみることができます。

 <5図>。このように黒が間をひとつあけたこの形、囲碁用語で「一間トビ」(いっけんとび)といいます。「一間トビに悪手なし」という格言があるほど、この形は良いとされることが多いです。間をあけるという打ち方は、慣れるまでは少し怖いかもしれません。勇気をもって、効率の良い一間トビをぜひ試してみてくださいね。

 ※次回は2月4日更新予定です。お楽しみに。

[2014年1月28日10時7分]









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