黒木華(25)が岩井俊二監督(52)の新作「リップヴァンウィンクルの花嫁」(来年3月26日公開)で映画初主演することが18日、分かった。ソーシャルネットワークサービス(SNS)で知り合った男性と結婚したが、浮気したとして、家を追い出される派遣教員を演じる。岩井監督にとって、12年の日米カナダ合作映画「ヴァンパイア」以来の実写作品で、04年「花とアリス」以来12年ぶりの日本映画となる。

 黒木と岩井監督は、12年にスカパー!などで放送された同監督の番組「マイリトル映画祭」のCMオーディションで出会った。黒木はオーディションに合格、同番組やCMに出演した。その後、主演映画製作プランが持ち上がり、同監督が黒木をイメージした小説を13年に執筆し、これを映画化することになった。

 「東京の四季を描きたい」という同監督の希望で昨年11月から撮影がスタートしたが「華ちゃんを永久に撮っていたい」といって、終わったのは今年7月。「一体何の話なのか、自分でもよく分からなかった。ただ描きたかったことはあった。それをどこかに描けた気はする。311(東日本大震災)直後から取り組み始めて、気がつけば4年半が過ぎていた」と話す。

 4Kを超えた6Kの高画質で撮影するなど、同監督にとって集大成的な作品。黒木は「岩井監督の長編映画に出られる日が来るとは想像できませんでした。脚本、撮影、音楽、時間、全てをいとおしく思います」。共演は綾野剛(33)。

 ◆黒木華(くろき・はる)1990年(平2)3月14日、大阪府生まれ。京都造形芸術大在学中の10年に舞台「表に出ろいっ!」で本格女優デビュー。11年「東京オアシス」で映画初出演。13年「舟を編む」「草原の椅子」などで日刊スポーツ映画大賞新人賞。映画「小さいおうち」で14年ベルリン映画祭最優秀女優賞受賞。ドラマは「リーガルハイ」やNHK連続テレビ小説「花子とアン」など。164センチ。血液型B。

 ◆映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」 皆川七海(黒木華)は鉄也(地曵豪)と結婚する際、式の代理出席を何でも屋の安室(綾野剛)に依頼する。新婚早々、鉄也に浮気されるが、逆に浮気したと家を追い出される。七海は安室から月100万円稼ぐAV女優里中真白(Cocco)の屋敷の住み込みメイドなどのバイトを紹介される。