TBS系のニュース番組「NEWS23」を降板する膳場貴子キャスターと、アンカーの岸井成格氏が、最後となった25日の放送のラストで、視聴者に向けてあいさつした。

 昨年成立した安全保障関連法をめぐり、「メディアとして、廃案に向けてずっと声をあげ続けるべきだ」と番組内で発言し、新聞紙上に抗議の意見広告を出された岸井氏は、「極端な見方に偏ることなく、何よりも権力を監視するジャーナリズムを貫くことが大事です」と強調した。

 膳場キャスターは、故筑紫哲也氏と組んで06年秋から番組を担当してきたことを振り返り、「あっという間の8年半でした」と話した。その間、リーマン・ショックや東日本大震災、原発事故など大きな出来事が起きたことに触れ、「変化の時代とともに生きている実感を持ちながらの、(番組の)時間でした」とも述べた。

 28日の放送から、新しいメーンキャスターとなる元朝日新聞記者の星浩氏も登場し、「皆さんの思いをしっかり引き継ぎます。見守ってください」とあいさつ。岸井氏は「期待しています」と応じ、2人で握手を交わした。