今年1月の解散騒動以降、メンバー間の不協和音が解消されず、危うい状態が続いたSMAPの解散発表は、なぜ今月14日だったのか。決め手になったのは、唯一のグループ活動といえるフジテレビ系「SMAP×SMAP」(月曜午後10時)の終了時期だった。

 1月に解散騒動があったが、夏恒例の音楽特番へのオファーは届いた。しかし、7月に入って、メンバーから「今の状況ではグループ活動を続けるのは難しい」という要望があり、いずれも辞退した。すると所属事務所は、このままグループ活動を続けるのは難しいと判断。メンバーに休業を提案することになった。休業になれば当然、「SMAP×SMAP」の収録はできなくなる。番組終了の申し入れを決断した事務所は、想定される終了時期から逆算し、休業発表のタイミングを模索した。

 放送業界では、スポンサーへの配慮や後番組の準備などを考慮して「番組の終了は遅くとも3カ月前までに決めなければならない」という不文律がある。10月改編期(=9月番組終了)ならば、6月までにテレビ局側に終了を申し入れる必要があった。現実的には、次の(来年)1月改編期(=年内終了)が最も早いタイミングとなり、8月末までにテレビ局側と合意しなければならなかった。そこで事務所は7月下旬から今月にかけて、メンバー1人1人に休業を提案した。

 個別面談を終えると同時に、番組側に休業と番組終了を希望する意向を伝えた。各テレビ局幹部やスポンサーにも内々に休業を報告。発表は関係各所への根回しが完了する14日に設定された。それが事務所から正式発表できる最速のタイミングだった。

 ところが発表4日前の今月10日、「休業」が「解散」という結論に一変した。休暇でハワイに滞在している木村拓哉を除く、中居正広、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の4人がジャニー喜多川社長のもとを訪れた際、香取と草なぎが解散を強く主張。稲垣も同調した。事務所幹部に「休業か解散か」と2択を迫られたリーダー中居も3人の意向を受け入れた。翌11日の役員協議で正式に解散が決定。内容が「休業」から「解散」に変わったが、発表は「SMAP×SMAP」終了時期から逆算する形で、根回しなどを終えた14日に決行された。

※なぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀