ジャニーズ事務所では幹部の仕事のすみ分けが明確だ。メリー副社長とジュリー副社長らが経営面やマネジメントを担当する一方、ジャニー喜多川社長は新人の発掘や舞台制作など、プロデューサー業に徹してきた。育成までは手掛けるも、軌道に乗ったグループのマネジメントはジュリー氏らに任せてきた。

 だが、今回ばかりは別だった。5月に「僕は、命にかけても(解散させない)。SMAPは、わが子と同じですから」とSMAPの解散を否定。それ以降、メンバーたちと何度も面談した。メンバー5人それぞれ1人ずつの面談を2巡、さらに5人全員との同時面談を2回行った。20年来の付き合いだという親しい関係者も「あんなジャニーさんは見たことがない」と話す、異例の事態だった。

 直接会えない時は電話もかけた。結果的には「解散」を主張した草なぎ剛(42)に対して、何度も電話して意思疎通を図った。同じ「剛」のKinKi Kids堂本剛(37)との電話中に、「剛…。ええと、お前はどっちの『剛』だっけ?」と草なぎと混同してしまうこともあったという。関係者は「5月以降、スマートフォンの使い方についての質問が急に増えた気がします。電話だけでなく、メールやSNSでのコミュニケーションも模索していたのではないか」と証言する。

 ジャニー氏は昨年から、体調不良で入院することも複数回あったという。5月には「手術はしていないです。大きな病気とかではなく、もう84歳ですし、年からくるものですよ」と笑っていたが、歩くスピードは速くない。SMAPに対してなりふり構わぬ“命がけ”の面談作戦だった。

 ※なぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀