「存在に助けられた」「神様のよう」-。年内で結成28年の歴史に終止符を打つ「SMAP」。熱心なファンは長年、メンバーの歌や活躍を心の支えにしてきた。

 福島県の会社員女性(38)は、ファン歴24年。「SMAPの存在に助けられたのは、やはり東日本大震災の時」と振り返る。「震災から10日後に急きょ『SMAP×SMAP』の生放送があり、不安で気を抜けない毎日を送っている私たちにメンバーが思いを届けた。5人の姿をテレビで見て、ほっとして心が落ち着いたのを覚えています」

 SMAPの被災地への思いを知り、支援金を送ったり、被災地の物産を買ったりするファンも多いという。「メンバーが『被災地のことを忘れていないよ』と伝え続けてくれているおかげだと思う」と感謝している。

 「SMAPの魅力は一口では言えない。すべてが完璧で神様のような存在です」と語るのは、東海地方を中心に全国で活躍するパフォーマーの大須くるみさん(51)。2002年のコンサートで、まだシングルカットされていなかった「世界に一つだけの花」の生歌を聴き、「人生に迷っていた自分の背中を押してくれた気がした」と語る。

 当時、名古屋市内の演芸場に籍を置いて大道芸などをしていたが、観客席は閑古鳥が鳴く状態。「このままここで終わっていいのか」と悩んでいた時に、この曲の歌詞が心に染みた。「ナンバーワンでなくてもいいから、自分の個性をもっと伸ばしていこう」。その後、落語も習得し、三遊亭笑くぼとしても活躍の場を広げていった。

 26日放送の「SMAP×SMAP」のフィナーレを飾る曲も、「世界に-」に。「まだ解散を信じたくない。今すぐは難しくても、いつかまた、5人がそろってコンサートを開き、この曲を歌う日が来てくれたら」。