山田洋次監督(85)の代表作「男はつらいよ」は、フランスの国民的喜劇作品がモデルだった。先日、山田監督が演出し、今井翼が主演する音楽劇「マリウス」の会見が行われたが、そこでフランスの作家マルセル・パニョルの3部作「マリウス」「ファニー」「セザール」が、映画「男はつらいよ」のベースだったことを明かした。

 3部作の舞台はフランスの港町マルセイユで、船乗りに憧れる青年マリウス、幼なじみのファニーの恋を軸に、マリウスの父で陽気な自由人セザールらが絡んでくる人情喜劇。山田監督は「青春時代に読んで、映画『男はつらいよ』のもとになった作品。これを舞台でできるなんて、夢のような気持ちです」と話した。

 山田監督は「マリウスは博で、ファニーはさくら。セザールは渥美(清)さんが演じた寅さん」と明かし、ファニーと結婚する裕福な商人パニスについては「タコ社長かな」という。東京の下町、帝釈天のある葛飾・柴又を舞台にした「男はつらいよ」の原点が、フランスの地中海に面したマルセイユというのは意外だったけれど、マルセイユ人は何かと大げさで、パリを東京とすると、大阪人に近いと聞くと、何となく納得できそうです。