落語家柳家花緑(45)の発達障害告白には驚いた。8月4日発売の最新著書「花緑の幸せ入門」で初めて明かしている。

 取材でも「学校では落ちこぼれで、すべてのことで自信がなかった。学校では身の置き所がなくて、自分はバカだと思っていた」と、当時の心境を率直に語ってくれた。

 漢字の読み書きが苦手で、通知表の美術と音楽以外は1か2だった。集中力がなく、教室でおしゃべりばかりしていて、教師に往復ビンタされるなど、問題児だった。史上最年少の22歳で真打ちにスピード昇進し、何冊もの本を出して、持ちネタは190もある、今の人気落語家の姿からは想像もできない過去だった。花緑自身も発達障害と知ったのも、4年前のテレビ出演がきっかけだった。

 本をちゃんと読み始めたのも二つ目になった18歳の時で、あるテレビ番組に出演した時、答えの「宝石」という漢字が思い浮かばず、「ほうせき」と平仮名で回答したこともあった。落語界の仲間内にも発達障害だったことを明かしていなかった。「誰にも言っていなかった。協調性がなく、落語界でも浮いていたかもしれない。空気が読めず、自分の話ばかりしていた。今は行き過ぎないように注意しています」。

 今回、初めて告白したのも、「自分の全部を見せてしまった。これまでの本は聞き書きが多かったけれど、今回だけは自分で書きたかった。本当に正直にアグレッシブに書いた。でも、そうしないと前に進めないと思った」という。落語家として、人間として、さらに成長するための決断だった。