俳優舘ひろし(67)が27日、地元の名古屋市内で、NHK総合のドラマ10「マチ工場のオンナ」(金曜午後10時=11月17日スタート)取材会に出席し、1話で病死をする設定ながら、オーラを放ちすぎて「私の俳優としての限界を感じた」と笑わせた。

 同ドラマは、内山理名(35)のNHKドラマ初主演作で、舘はその父親役。諏訪貴子氏の「町工場の娘」を原作に、32歳専業主婦が、急死した父の後を継ぎ、町工場の2代目社長に就く様子を描く。

 舘は、カリスマ性を備えるワンマン社長役だが、1話で「ガンで余命4日」を宣告され亡くなる。収録は8月18日から名古屋近郊でスタートしており、すでに1話は収録済み。娘や家族同然の工場スタッフを思い、死を迎えるのだが、舘いわく「すぐ死ぬので、もっと枯れた感じを出そうと思ったんですけど、もうね、まったく枯れた感じが出ない」とぼやいた。

 ただし、内山は、舘の迫真演技に感動したそうで「亡くなるシーンなのに、オーラがビシビシ。エネルギーがすごかった。かっこよかった」と絶賛。ドラマの制作統括・吉永証(あかし)プロデューサー(52)も、舘の熱演を「さすが、でした」と感心していた…のだが、やはり、舘自身は大いに不満な様子だった。

 「いやね、その死ぬとこ、おほめいただいてますけどね、私としては枯れた感を出したかったわけですよ。それがね、どうしても生臭いの! 俳優としての限界ですよ」

 照れもあってか、自嘲発言を連発した。そんな舘に、内山の夫を演じる永井大(39)も「ずっと刑事ドラマを見ていたので、ご一緒できるだけでうれしい。『コーヒー飲む?』と言ってもらいたいために、隣にいるようにしています」と、あこがれている本心を吐露。やはり、オーラは消せないようだった。

 吉永プロデューサーによると、舘は1話で亡くなる設定だが、全7話に出演予定。「娘を思って、工場の職委員を思って登場したり、回想シーンで毎回、出演いただきます」と説明した。収録は、名古屋市内や三重など、近郊ロケも含めて、11月中旬まで予定。

 NHK名古屋放送局近くに実家がある舘は「実家がすごく近いので、親孝行にいい作品。願ったりかなったりです。(収録スタートから1カ月で)もう2回ほど、母親とメシ食いに行きました」と話していた。