ドラマ「夢千代日記」「花へんろ」などで知られる脚本家で作家の早坂暁(はやさか・あきら、本名富田祥資=とみた・よしすけ)氏が16日午後2時、腹部大動脈瘤(りゅう)破裂のため、都内で死去した。88歳だった。関係者によると、外出先で体調を崩し、運ばれた病院で亡くなったという。

 1929年(昭4)に愛媛県松山市で生まれ、日大芸術学部演劇学科を卒業後、新聞社勤務などをへて、放送作家、脚本家となる。「七人の刑事」「天下御免」や「必殺」シリーズなど数多くのドラマの脚本を手掛けた。生と死をテーマにした作品が多く、胎内被爆者の女性を主人公にして吉永小百合(72)が主演したNHK「夢千代日記」シリーズや、生まれ育った商家を舞台にして桃井かおり(66)らが出演したNHK「花へんろ」シリーズも人気を集めた。

 映画も「青春の門」「天国の駅」「千年の恋 ひかる源氏物語」などの脚本を担当した。また自伝的小説「ダウンタウン・ヒーローズ」が86年に山田洋次監督(86)で映画化された。

 94年に紫綬褒章。ほかに芸術選奨文部大臣賞、向田邦子賞など受賞多数。