近藤真彦(53)の初主演映画「青春グラフィティ スニーカーぶる~す」(81年公開)が28日、来月4日に閉館する東京・TOHOシネマズ日劇で、37年ぶりに上映された。近藤も27年ぶりに映画の舞台あいさつを行った。上映はイベント「さよなら日劇ラストショウ」の一環として実現。TOHOシネマズ日劇の前身・日本劇場の閉館時、クロージング作品として上映された同作が、長い時を経てスクリーンに帰ってきた。

 85年の歴史と日本一の座席数を誇る劇場は、ファン約1000人で満員となった。作品が始まると「キャー!」と興奮の声があがり、スクリーンに近藤が映ると、ひときわ大きな歓声が起こった。

 近藤は会場最後列で観賞していた。上映後、ステージに登壇すると「37年前も初日に、一番後ろで見させていただきましたけれども、今日の方が緊張しました。ちょっと、本当に、うるっときちゃいました」と感慨に浸った。「あんなストーリーだったとは、今日初めて知りました。控室に入って『トシちゃん(田原俊彦)と僕、どっちが死ぬんだっけ? よっちゃん(野村義男)出てたっけ?』って」と裏での会話を明かして、笑いを誘った。

 上映後、報道陣の取材に応じ「37年間応援してくれたファンと見られるとは。なつかしい、恥ずかしいを超えて、自分の子どもを見ているようでした」と語った。81年の初日舞台あいさつとコンサートについて「熱く歌ったことしか覚えていない」と話したが、「(ファンが投げる)紙テープがオッケーだったので、顔とか頭をずいぶん小突かれたな。相当痛かったです」と懐かしそうに笑った。

 3月には近くにTOHOシネマズ日比谷がオープンする。「前回(日本劇場の閉館記念上映)も『スニーカーぶる~す』で、今回も節目に上映できるのは縁がある気がします。新しい劇場でも、映画か何か参加させていただければ」と意欲を見せた。 【杉山理紗】