米フォークロック・デュオ「サイモン&ガーファンクル」のポール・サイモン(76)が、今年の夏を最後にツアー活動を引退することを発表した。

 サイモンは米国時間の5日、長文の声明を発表し、「演奏キャリアを自然に終わらせることを検討する時期に来たら、一体、どんな感じなのかと思っていた。今わかった。少し不安定で、爽快感があり、安堵(あんど)感のようなものもある」「音楽を作るのが好きで、僕の声はまだしっかりしている。バンドも結束が固く、素晴らしいグループだ。常に音楽のことを考えている」などと語った。

 昨年12月に亡くなったリードギタリストのヴィンセント・ンギニの話にも触れた上で、「ツアーを止めようと思った理由はそれだけではないが、大きな理由の1つ」と明かした後、「50年間、僕の演奏を見守ってくれた世界中のファンに感謝したい」と結んでいる。

 北米でのサヨナラ・ツアーは5月16日のバンクーバー公演を皮切りに、6月20日のテネシー州ナッシュビルのブリジストン・アリーナで終幕。ヨーロッパ・ツアーは7月7日のアムステルダム公演が最後となり、その後、マンチェスター、グラスゴーなど英国内での4公演で公演活動の幕を閉じる。

   サイモンが1964年、アート・ガーファンクルと共に結成した「サイモン&ガーファンクル」は、1970年に活動停止したが、断続的に再結成している。18枚のスタジオ・アルバムを発表しているが、うち5枚はガーファンクルとの共作。過去13回にわたり、グラミー賞を受賞しており、「サイモン&ガーファンクル」としては1990年に、ソロとしては2001年に「ロックの殿堂」入りを果たしている。(ニューヨーク=鹿目直子)