俳優柄本佑(31)が17日、都内で映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」(富永昌敬監督)の初日舞台あいさつに出席した。

 母親をダイナマイト心中で亡くした経験を持つ、雑誌編集者・末井昭氏の自伝エッセーを映画化。柄本は末井昭役で主演する。

 作品は昨年7月に完成していたという。柄本は「公開まで長かったので、まだ実感できないでいます」と感慨深げに話した。「末井さんという人を通して、70年代から80年代にかけての爆発力や疾走感を感じてもらえると思います」と胸を張った。

 作中では女装シーンに挑戦している。原作本の表紙が末井氏の女装写真であることに触れ、「(末井氏と)似てると思いました。目のちっちゃいところとか」と笑った。女装にあたっては末井氏から下着の重要性をアドバイスされたといい、「すぐ衣装部さんに言って、パンツとブラジャーを準備していただきました」。

 主人公の妻牧子を演じる前田敦子(26)は、最近まで末井氏の顔を知らなかったという。「こないだの完成披露の時も末井さんを知らなくて。舞台に立った時に気付きました」と気まずそうに告白した。壇上で「はじめまして…」とあいさつすると、会場は笑いに包まれた。

 同作で初めて経験したことを聞かれると、柄本は「ストリーキングですかね。やってたらここにいないでしょう」と苦笑い。ダイナマイト心中する主人公の母・富子を演じる尾野真千子(36)は、おなかの辺りを指さし、「ここにダイナマイトを差したのは初めて」と笑った。

 ほかに三浦透子(21)峯田和伸(40)菊池成孔(54)富永昌敬監督(42)が登壇した。