「だめんず・うぉ~か~」などの作品で知られる漫画家の倉田真由美氏が、漫画を無料で違法アップロードする海賊版サイトに「このまま野放しになっていたら、日本の漫画業界めちゃくちゃになっちゃいます」と警鐘を鳴らした。

 27日放送のTBS系「ビビット」は、問題が深刻化している海賊版サイトについて取り上げた。某サイトでは人気コミックや名作漫画だけでなく、雑誌の最新号や写真集等まで約7万冊が無料で閲覧できる状態になっている。そうした海賊版サイトは広告収入による収益が月数億円にものぼるという。MANGA議員連盟会長の古屋圭司衆院議員は「違法なサイトが横行すると結局はクリエイターもいなくなってしまいますし、配信をする事業者、出版社も倒産の危機に見舞われるわけです。この半年間で何百億円単位の損失です。このままあと1年も続けたら大手の会社がボコボコ潰れますよ」と指摘した。

 「怨み屋本舗」などの作品で知られる漫画家の栗原正尚氏は「『盗人猛々しい』っていう言葉がまさに当てはまると思う」と怒り心頭。「一部の海賊版サイトを応援する人たちは『お前ら漫画家が面白いのを描かないから金払って読む価値がない』とか言うけど、それってレストランに行って全部食べて、マズイから金払わないって言っているようなもんじゃないですか。おかしな世の中だなと思う」と嘆いた。

 同番組のコメンテーターを務める倉田氏は「自分が描いた、血のにじむような思いをして描いた原稿、マンガをただで読まれて、このまま野放しになってたら日本の漫画業界めちゃくちゃになっちゃいます。漫画を描くっていうことが仕事じゃなくてボランティアになってしまう。だって1円も入ってこないんですよ。早急になんとかしないとほんとに出版社もつぶれるし漫画家さんもつぶれちゃいますよね」と悲鳴をあげた。

 なお海賊版サイト側は、日本と国交がなく著作権が保護されていない国でサイトを運営しているため「違法ではない」と主張しているという。