オピオイド(医療用麻薬)の過剰摂取により2016年4月に死亡した米人気歌手プリンスさん(当時=57)について、ミネソタ州の検察当局は19日、死因となった強力なオピオイドをどこから入手したか突き止められず、周囲の人物らの刑事訴追はしないと発表した。米メディアが伝えた。

 オピオイドは米国で鎮痛薬として安易に処方され、依存症患者の増加や過剰摂取による死亡が社会問題化している。

 プリンスさんの死因は、オピオイドの中でも依存症になった人向けに密売されることがあるフェンタニル。プリンスさんの死後、自宅周辺からフェンタニルを含有する偽造薬が見つかっていた。

 プリンスさんの死亡に直接の関係はないが、死亡の直前、プリンスさんが使うと知りながら、別の種類のオピオイドをボディーガードの名前で処方したとして、開業医が16日、3万ドル(約330万円)の罰金を支払うことで連邦検事と合意した。