「おしどり夫婦」という言葉にはこれまで、「夫婦の距離が近い」「いつも一緒」「アツアツ」といったイメージを持っていました。しかし、芸能界きってのおしどり夫婦と言われる中尾彬(75)池波志乃(63)夫妻はすこし違っていました。

 夫妻は4月26日に共著「終活夫婦」(講談社)を出版し、今月13日に都内で刊行記念イベントを行いました。囲み取材では、2人が実践した終活の内容について語りましたが、その時の距離感が何ともいい感じなのでした。

 終活では増えすぎたモノを処分したほか、自分たちのためにお墓を用意したそうです。美大出身で、絵心のある中尾が自らデザインしたという力作ですが、池波の感想は「安定感がよくて、倒れなさそう」と、さっぱりとしたものでした(調べてみると、横長の石を3つ積み重ねたデザインで、確かに安定感はよさそう)。また、お墓に関する手続きの大変さを「離婚手続きより簡単だよ」とバツイチの中尾が冗談交じりに説明すると、池波も「経験者だからね」とラフに応じました。

 結婚生活も今年40周年を迎えますが、中尾いわく「仲が良い訳じゃない、普通ですよ」と淡々とした様子。愛の表現について聞かれると「態度で分かるよ~」と照れた表情を見せました。「中尾会」と称して、仕事関係の女性アナウンサーと食事会を開催していることは池波公認で、「ごはん食べたからって、どうにかなる年じゃないでしょう。カサカサになっては困るので、お願いだから遊びに行ってほしい」と言うのでした。

 池波は中尾のことを「一番話が通じる相手。何でも言える、親友っぽい感じ」といいます。確かに、冗談を言い合える友人同士のようなカラッとした関係性に見えました。

 若い芸能人カップルがSNSで見せる仲むつまじい様子もほほ笑ましいですが、ベテラン夫婦の距離感に長続きの秘訣(ひけつ)を垣間見た気がしました。