テレビ朝日の早河洋会長兼CEOが11日、春ドラマの台風の目となった土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ」を高く評価した。テレビ朝日新人シナリオ大賞授賞式の席で語った。

 早河会長は「おっさんずラブ」について「全7話の平均視聴率は約4%。失敗作と言われる数字だが、SNSやネットのほか、韓国、香港、台湾などでも話題となり、韓国では報道番組が取り上げた。何がこの時代に訴求するか分からない」と語り、動画配信を含めた番組パワーを評価した。

 18回目を迎えた同シナリオ大賞では、配信部門で応募した板谷将行さん(27)の「風に吹かれて」が奨励賞を受賞。同世代はテレビを見ないという現状が語られた。早河会長は、配信を意識した金曜、土曜のナイトドラマ枠から「ホリデイラブ」「おっさんずラブ」「家政夫のミタゾノ」などの話題作が出ていることを語り「ゴールデンタイムと違ったこうした作品が配信側に回り、総合視聴率という評価が今はある。まだテレビのマスへの訴求力は大きなものがある。配信だけを志向するのは違うと思う。出口はいろいろある」と話した。

 大賞は該当者なし。松本稔さん(52=自営業)の「はとポップ!」と、川瀬太朗さん(29=医師)の「ハッチ&ハイク」が優秀賞を受賞した。