10日、ニューヨーク市内で開かれたトニー賞授賞式でステージに立った米俳優ロバート・デ・ニーロ(74)が、ドナルド・トランプ米大統領(71)をののしる発言で、注目を集めた。

 米ABCニュースなどの報道によると、デ・ニーロは、米ロック歌手ブルース・スプリングスティーンの演奏を紹介する前に、「この場を借りて言わせてもらうが、トランプなんてクソくらえだ」と罵倒したという。

 会場からは、歓声とともに拍手喝采が沸き起こっていたが、同授賞式の模様を生放送した米CBSテレビは、デ・ニーロの同コメント部分を完全に削除。

 デ・ニーロは出席者らからの反応にガッツポーズを取った後、続けて、スプリングスティーンを、「ブルース、君は他の誰以上に会場をロックしてくれる。こんな危険な時代に、君は自分の言葉で、真実や、政府の透明性と統合性のために闘い続けている。今、私たちにはそれが必要だ」と続けて紹介した。11日現在、トランプ氏はデニーロの発言についてコメントしていない。

 2016年の米大統領選挙でトランプ氏が当選する前から、同氏を公に批判し続けていたデ・ニーロは、自分が経営する人気レストラン「ノブ」への同氏の立ち入りを禁止。

 今年1月に開かれた米映画批評会議賞授賞式のパーティーでも、トランプ氏を「大バカ最高司令官」とこきおろすなど、ハリウッドにおける反トランプの第一人者となっている。(ニューヨーク=鹿目直子)