今年俳優デビュー30周年を迎える加藤雅也(55)が、地元の奈良県を舞台にした映画「二階堂家物語」(アイダ・パナハンデ監督、来年1月25日公開)に主演することが19日、分かった。同じ奈良県出身の河瀬直美氏がエグゼクティブ・プロデューサーを務める。奈良を知りつくした2人がタッグを組み、地元の魅力が詰まった人間ドラマを作り上げた。

 奈良・天理市を舞台に描かれるのは、跡継ぎ問題に悩む家族の“愛と葛藤”。加藤演じる主人公の二階堂辰也は息子に先立たれ、妻にも出て行かれてしまう。辰也は娘に婿養子をとるよう期待をかける一方、母からは望まぬ結婚相手との再婚を迫られ、家族の間には緊迫感が漂う。娘役に石橋静河、母役に白川和子、ほか町田啓太、田中要次、陽月華らが出演する。

 奈良での撮影はほぼ初めてという加藤は「念願かなったという感じ。奈良出身の方と奈良で現代劇を撮るなんて巡り合わせはなかった」とうれしそう。「30周年の年に上映されるのは縁を感じます」と、記念すべき映画の完成を喜んでいる。また、撮影を振り返り、「植林されたのではなく原生林みたいな山間の村で過ごして、東京とは違っていろんな色の木があるのが印象的でした。スクリーンに映えると思います」と地元の魅力PRも忘れなかった。

 ◆加藤雅也(かとう・まさや)1963年(昭38)4月27日、奈良県生まれ。横浜国大在学中からモデルとして活躍し、パリコレなどに出演。88年に映画「マリリンに逢いたい」で俳優デビュー。代表作に「GODZILLA」「BROTHER」「許されざる者」「anego」「アンフェア」「八重の桜」など。183センチ、血液型A。