本木雅弘主演の映画「黒牢城」の初日舞台あいさつを取材した。本木の気遣い、心配りをあらためて感じた。

本木はまずは「ようやく映画が動き出すと思うことなんですが、作品は新たな航海にこぎ出す、私の後悔も始まる。公開されてもこの連鎖、連鎖で」と、「かい」つながりであいさつし、聞く人の心をぐっとつかんだ。

この日は、菅田将暉、吉高由里子、Snow Man宮舘涼太、青木崇高、オダギリジョー、柄本佑という豪華で多数の出席者だったが、本木は、一人ひとりの言葉にちゃんと反応して、いいところを観客に伝えていた。誰か1人に話題が集中しないよう、まんべんなく話を振って、つなぐ様子に、司会者からも「司会をありがとうございます」と、言葉が出るほどだった。

15年も前の話になるが、在京スポーツ紙が主催する「ブルーリボン賞」で本木が司会を務めた年があった。司会は前年の主演男優賞、主演女優賞のコンビが務めるのが恒例のためだ。

当日、司会者との打ち合わせを行った際、事前に送っていた台本には丁寧な字で、びっしりと書き込みがされていて、驚いた。

受賞者からどんな話を引き出せるかだけでなく、授賞式全体に目を向けた心配りも感じた。静かな打ち合わせだったが、受賞者をお祝いしたい、いい授賞式にしたいという熱い気持ちを感じた。

この日の初日舞台あいさつを見て、当時を思い出したりした。ともに舞台に立つ人へのリスペクトを持って、目の前にいる人を楽しませたい、という本木の心配りが、気持ちのいい舞台あいさつを作っていた。【小林千穂】