今年は「ウルトラマン」シリーズの60周年に当たり、それを記念したドキュメンタリー「THE ORIGIN OF ULUTRAMAN」が7月3日に公開される。

ギレルモ・デル・トロ、是枝裕和両監督ら少年時代に洗礼を受けた映画人の証言に始まり、円谷英二監督以下当時のスタッフの仕事ぶりにスポットを当てている。

シリーズ開始時は、小学4年だったので、同じ枠でこの前に放送された「ウルトラQ」とともにしっかりと記憶に残っている。

スペシウム光線や活動時間3分間など、ウルトラマンにまつわるお約束はもちろん、バルタン星人を始めとした怪獣たちの強烈な個性は、今でも思い出せる。考えてみれば原則1話完結の構成で、それぞれの怪獣は一度限りの登場だったわけだから不思議である。

冒頭のデル・トロ=是枝対談が、まずはこの記憶に焼きつく理由を解き明かしていく。スペシウム光線のポーズを取った是枝監督の幼少時の写真を見て笑い。デル・トロ監督は米国のモンスターと怪獣の違いを熱弁し、善悪を越えた擬人的なキャラや造形の美しさに言及する。

是枝監督はデル・トロ監督の「シェイプ・オブ・ウォーター」に共通点を見いだし、やがては出身地のメキシコ、日本の共通点にまで話しは及ぶ。

「シン・ウルトラマン」の庵野秀明監督は強烈な影響を「呪縛」といい、「エヴァンゲリオン」シリーズへの影響を明かす。「シンー」でメガホンを取った樋口真嗣監督は「子ども時代になくてはならないもの」とシリーズ継続の意義を話した。

製作秘話パートでは、円谷監督とスタッフの貴重な記録映像を始め、科学特捜隊にふんした面々の証言も織り込まれる。ハヤタ隊員の黒部進、フジ隊員の桜井浩子、アラシ隊員の毒蝮三太夫がそれぞれのウルトラマンへの思いを語る。

「ドライヴ」(11年)で知られるデンマークのニコラス・ウィンディング・レフン監督が幼年時代に見た「ウルトラマン」への熱い思いを語っていたのが意外で、文字通りのワールドワイドな人気を改めて実感した。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)