女優、劇作家、演出家などさまざまな顔を持つ渡辺えり(63)が5日、都内で、劇作家協会公開講座2018夏「会長就任記念トークセッション」に出席した。

 今年3月、日本劇作家協会6代目会長に就任。「間口を広げたい」の就任あいさつ通り、「堅苦しくなく、興味のある人みんなが入れるのが劇作家協会です。学芸会や余興のためにストーリーでもいいんです。どんな人でも受け入れます」とアピールした。

 渡辺の発言には、生で舞台を見たことのある人が減少している実情がある。「これは世界的な流れでもある」といい、「今は動画サイトなどで見たいシーンを抜粋して見られる時代。便利ですが、やはり生で、通して舞台を見てほしい」と訴えた。

 また、演劇は「少人数のための幸せのものでいい」と続けた。「多数の幸せのための作品は、角がなくソフトに仕上げる必要がある。でも演劇は、そことは相いれない特殊な感覚を持つ少数派の人たちをすくい取る面もある。劇作家もそんな少数派だから」と話した。

 この日、ゲストで俳優宇梶剛士(55)も登壇した。MCから「良いことがあったらしいですね」と言われると破顔一笑し、「私事で恐縮ですが、孫が生まれました」と報告した。渡辺の「あっ、最初の奥さんのね…」発言に、「そこまで詳しく言わなくても」と笑いながらも困惑した。

 「えりさんにはよくしかれました」という宇梶。公演前に渡辺と口論となり、お客さんの前でビンタを食らったという。「あの時、松坂慶子さんが止めてくれたんですよね」という宇梶に、渡辺は「そうだっけ? 昔は手が速かったからね」と笑い、「今考えれば、ただの更年期。今は怒りを静めるブレスレットをしてるから大丈夫よ」と笑いながら左手を見せた。

 宇梶は「えりさんの背中を見続けて、えりさんの舞台に出たいです」と話した。