TBS系日曜劇場「下町ロケット」(14日スタート、日曜午後9時。初回は25分拡大)完成披露試写会が7日、都内で行われた。

1991年(平3)のNHK連続テレビ小説「君の名は」以来、27年ぶりに俳優に挑戦する古舘伊知郎(63)は、登壇するなり「1人だけ場違いな感じ。現実感がない」と言いつつも「しゃべるフェーン現象」などと得意の“古舘節”がさく裂。遠慮しつつも、司会の新人アナウンサーにダメ出しするなど節目、節目で“絶口調”だった。

TBS系ドラマへの出演は1988年(昭63)「殺したい女」以来30年ぶりの古舘は、阿部寛(54)演じる佃航平が社長を務める、佃製作所の前に立ちはだかるライバル企業「ダイダロス」の社長・重田登志行を演じる。久しぶりの俳優業について「何年か前まで報道番組をやっておりましたので、どんな喜怒哀楽の感情があろうと、抑え込んで冷静に雰囲気をつくりながらやることに慣れていたので」と04年から12年、キャスターを務めたテレビ朝日系「報道ステーション」とのギャップへの戸惑いを吐露した。

その上で「今はものすごいエネルギーの中、冷静さを装いながらぐーっと上っていって、一気に下っていくような、しゃべるフェーン現象を起こして…今日あたり、合ってるでしょ? そういう感じで、脇として仕事が出来れば」と俳優業への意気込みを語った。

イベント中、司会として登壇した新人の小林広輝アナウンサーから質問されると「質問に言葉がこもっていない!」とダメ出しした。また良原安美アナウンサーには「真ん中のあなた、1番カジュアル…緊張感のかけらもない」などと評した。

そんな軽妙なトークと裏腹に、やはり15年10月にTBS系でドラマ化され、満を持して続編が動きだす「下町ロケット」の現場には緊張感があるようだ。「やはり、疎外感があって入っていけない。3年前にやってる。ほとんど新興宗教の団体(くらいの現場の結束感)、今日は、しゃべり控えます。古舘品質、控えます。打破してしゃべるのは難しい…皆さん、すごいなと」と脱帽していた。【村上幸将】