前回、「アウトレイジ 最終章」で石原裕次郎賞を受賞した北野武監督(71)が、今回受賞した「カメラを止めるな!」で受賞した上田慎一郎監督(34)に、先輩の映画監督として「映画に関する情熱を持って、ぶち当たれ」とエールを送った。

北野監督は「カメラを止めるな!」について「一昨日見て、うらやましかった。蛭子能収の漫画を見たようなヘタウマの境地。この良さがないとダメ。我々が映画をやろうといった、そのままの映画で、喜んじゃった。ミスしてるところがあるけど、それがいいね。」と、独特の言いまわしで評した。

その上で「これがお金を持って、良い映画を作っちゃうと失敗する。崔洋一がよく言われていましたね。(1度、成功すると)不思議にミスできなくなる…こなれるのがアーティストの良くないところ。意識して壊すと、良くない」と語った。そして「周りの意見に曲げず、素直にやれば、見てくれる人は見てくれる。大失敗もある」と、1度の成功でも自分を曲げず、真っすぐに映画に向き合うよう熱く語った。

北野監督は最後に「(賞金300万円のうち)100万円くらい、くれないんですか? 歩いて帰らないと」とジョークを飛ばし、会場を笑わせた。