静岡朝日テレビが、2018年の漫才日本一決定戦「M-1グランプリ」を制した霜降り明星を起用し、4月から深夜番組「冒険発掘バラエティ 霜降り明星のあてみなげ」(放送曜日、時間は後日発表)を始めることが4日、分かった。今、最も注目される若手実力派コンビが、なぜ静岡でレギュラー冠番組を持つのか? それには2つの理由があった。

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2つの理由とは、静岡朝日テレビの「先見の明」と「動きの速さ」だった。同局は、2人が「若手ホープ」とみられていた17年9月、インターネット放送「SunSetTV」で、冠番組「霜降り明星のパパユパユパユ」をスタートした。第1回は、同局社屋で、パンツ一丁にされたせいやが誰にも見つからずに、衣服を探せるのかに挑戦。5階から1階まで、隠れながら移動する姿を粗品が絶妙の突っ込みを入れながら、実況する内容だった。

そんな2人がM1王者をつかみ取り、同局は即決で「霜降り明星の冠番組をやります」と所属事務所に宣言。2人も同局との信頼関係から快諾した形だ。

番組収録は既に始まり、県内ロケを重ねている。「静岡の魅力を再発見しながら、静岡での知名度100%を目指す」がテーマだ。2人の人気について鳥居瑞穂プロデューサーは「もう行く先々でファンが集まっている状態」と証言。2人のテンションも高い。

粗品 ずっと地上波を目指してネット番組をやらせていただいていたんで、念願の地上波。こんなにうれしいことはありません。

せいや 僕ら出身は大阪ですけど、「静岡と言えば、霜降り明星」と言ってもらえるくらい、僕らも静岡に詳しくなりたい。そして、皆さんに愛されたいです。

東京キー局での番組出演も急増する中、静岡でも活動していく2人。粗品は「静岡からお笑いとテレビを盛り上げるコンテンツにしたいなと思っております」と言い、せいやは「夏にはファン感謝祭を富士山の上でできるように頑張ります」と宣言した。

▽静岡朝日テレビのインターネット番組「霜降り明星のパパユパユパユ」は、1年半で30本以上が制作され、今後も継続される。開始当初は「再生回数10万回を超えて地上波進出」を目標にするも、M1優勝前は最高で3・6万と苦戦。しかし、優勝後は最高43万回を記録し、2人は地上波テレビで初の冠番組を持つに至った。なお、番組名の「あてみなげ(当て身投げ)」は、2人が好きなポケモンの必ず当たる攻撃技からヒントを得て、「番組も必ず当たる」との願いが込められている。

 

◆霜降り明星(しもふりみょうじょう)ボケ担当のせいやは、1992年(平4)9月13日、大阪府生まれ。近大卒。アグネス・チャンファンクラブ会員。163センチ、56キロ。血液型A。ツッコミ担当の粗品(そしな)は1993年(平5)1月7日、大阪府生まれ。同志社大中退。実家は焼き肉店。180センチ、56キロ。血液型O。13年1月にコンビ結成。主な受賞歴は、17年「第38回ABCお笑いグランプリ」優勝、18年「第7回ytv漫才新人賞」優勝。同年のピン芸人NO・1決定戦「R-1ぐらんぷり」でともに決勝進出。