シンガー・ソングライター岡村孝子(57)が22日、急性白血病と診断されたことを、公式ホームページなどで明らかにした。最近、体調不良を感じて病院で検査したところ病気が明らかになった。今月18日に入院し、最低でも数カ月の入院と治療を必要としている。新アルバム「fierte」は5月22日に予定通り発売するが、6月から予定していた4公演は中止する。

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女性デュオ「あみん」で「待つわ」のミリオンヒットを飛ばし、120万枚超のミリオンヒットと曲「夢をあきらめないで」で多くの人を勇気づけた岡村が「急性白血病」と診断されたことを明かした。

所属事務所などによると、大きな持病のなかった岡村だが、最近になって「肩こりがする」「体がだるい」などと軽い体調不良を訴えていた。アルバム「fierte」の発売と、6月からコンサートが4公演控えていたことから、念のために病院で診察を受けたところ、17日に急性白血病と診断された。その翌日に入院し、詳細な検査を受けてどんな治療が必要かなどを決める。医師からは、最低でも数カ月の入院と治療が必要と言われているという。

新アルバム発売に合わせ、音楽番組やイベントなどへの出演を予定していたが見合わせる。中止が決まった4公演は「T,S GARDEN」のタイトルで10年にスタートしたライフワーク。今年が10周年の節目ですごく楽しみにしていたという。直筆文書でも「私自身とても残念ですが、少し休養をさせて頂いて、今は治療に専念したい」と無念の思いを記している。

岡村は椙山女学園大在学中、同窓の加藤晴子と「待つわ」でデビュー。いきなりのミリオンヒットで国民的な人気を集めたが、華々しい活躍の裏で苦悩も重ねた。分刻みのスケジュールに追われ、東京でテレビ番組に出演をした後でハイヤーに飛び乗り、名古屋まで毛布にくるまりながら睡眠。翌朝に学校でテストを受けたこともあった。2人の活動は約1年半で休止。当時について岡村は「曲が独り歩きして私たちの手から離れていって、やりたいことが見えたころには『あみん』は終わってしまった」と話していた。

大学を中退した岡村は音楽活動に専念。女性の心情を見事に描ききる「OLの教祖」と呼ばれるシンガー・ソングライターとして活躍するようになった。アルバムを制作するたびに引っ越しをするなど、その楽曲作りへのこだわりは、関係者の間ではよく知られている。

病を克服し、ファンと再会する日を待ちわびながら岡村は闘病生活に入った。直筆メッセージは「また、皆さんとお会いできる日を信じて頑張ります。どうか応援していてください」の言葉で結ばれている。

◆岡村孝子(おかむら・たかこ)1962年(昭37)1月29日、愛知県生まれ。82年に椙山女学園大の学友加藤晴子とのデュオ「あみん」でデビュー。自作シングル「待つわ」がポプコンのグランプリを獲得して120万枚の大ヒット。83年に解散後、ソロとして85年10月に再デビュー。「はぐれそうな天使」「夢をあきらめないで」など多くのヒット曲がある。97年に石井浩郎参院議員と結婚。1女をもうけた後の03年に離婚した。血液型O。