綾瀬はるか(34)が「第22回日刊スポーツ・ドラマグランプリ」の主演女優賞に輝いた。18年7月期のTBS系「義母と娘のブルース」で本格的に母親役に初挑戦し、娘への愛情を、時に不器用に、時にストレートに表現した。女性層からの支持も集め、2度目の受賞となった。

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綾瀬は、トロフィーを手にすると「うれぴー!」と喜んだ。日本テレビ系「きょうは会社休みます。」で前回15年に主演女優賞を受賞した時は「取ったどぉ~!」だった。変わらぬ愛らしさがある。

略称「ぎぼむす」で人気になった「義母と娘のブルース」。義理の娘に愛情を注ぐバリバリのキャリアウーマン亜希子を演じた。コミカルさもありつつ、亜希子の懸命さが、共感と感動を呼んだ。

子育てに奮闘する母親を初めて演じた。「どう子供と接して良いか悪戦苦闘して、徐々に近づいていくという物語だったので、私も亜希子さんと一緒に、娘との距離を縮めていったような気がします」と振り返り「亜希子さんのことが本当に大好きになった」。

放送終了から半年以上がたつが、取材中も「何ということでしょう」「そのソリューションは…」など、よく登場したセリフをぽんぽんと言ってみせた。「特徴的なので、撮影が終わっても結構まねしてましたね」と笑う。いかに役を好きになっていたか、その一端が見えた。

デビュー以来、時代劇、恋愛もの、SF、アクションと、さまざまなジャンル、役を演じてきた。「いろんな役をやらせてもらいましたが、こういう役もあるんだ、と新しい扉を開いてもらったようでした。毎回、台本をもらって、ワクワクして、早く演じたいと思っていました」と話した。

今後は「その年齢にしか感じられない役を演じてみたい」という。「ぎぼむす」で母親を演じたように、年齢を重ねるにつれ演じる役柄も広がってくる。「『ぎぼむす』とは違った感じのキャリアウーマンもいいですね。働くかっこいい女の人とか面白そう」。

最近、日記を書き始めた。「心の声を聞く、というか。大切なことを見過ごしちゃいけないと思って」。令和に向けての目標を聞くと「うーん…」としばらく悩んだ後、「日々をちゃんと、丁寧に生きること」と返ってきた。【小林千穂】

◆義母と娘のブルース 仕事一筋のキャリアウーマン亜希子(綾瀬)が、娘みゆきを持つ良一(竹野内豊)からプロポーズを受け結婚し、母親になろうと奮闘する物語。亜希子とみゆきが出会って、ともに過ごした10年間を描いた。最終回の視聴率は19・2%を記録、平均視聴率は14・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。ほかに佐藤健、上白石萌歌らが出演。

◆ドラマグランプリ 3月28日から4月4日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」やスマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」、宅配読者会員サイト「ニッカンポイントクラブ」などで昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は2162票。男性が716票、女性が1446票。10代以下が66票、20代331票、30代285票、40代601票、50代610票、60代以上が269票だった。

◆綾瀬(あやせ)はるか 1985年(昭60)3月24日、広島県生まれ。00年ホリプロタレントスカウトキャラバン審査員特別賞。01年日本テレビ系「金田一少年の事件簿」で女優デビュー。ドラマは04年TBS系「世界の中心で、愛をさけぶ」、13年NHK大河「八重の桜」など。現在「いだてん~東京オリムピック噺~」出演中。映画は08年「ハッピーフライト」、15年「海街diary」など。2度のNHK紅白歌合戦司会。165センチ、血液型B。