吉本興業は19日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月2日から公演を中止していた大阪・なんばグランド花月(NGK)の公演を観客を入れて再開させた。

感染防止対策として、1・8メートルの間隔をとって座席販売が行われた。858席のうち、1階は70席、2階は42席の112席に限定。使用しない座席には「こちらのお席はご利用できません」と書かれたテープが貼られていた。劇場スタッフによると、第1回公演は2階席は関係者席となっていたが、1階席のチケットは完売だったという。劇場内では若手芸人が消毒や除菌散布を行い、換気時間を設けるなどの対策が取られた。

観劇に訪れた大阪・守口市の20代の女性は「席の間隔の空き方に驚いたけど、ちゃんとしてたので安心しました」と話した。月に1回ほどNGKかよしもと漫才劇場に来ていたといい、再開に「最初、泣きました。初日に来ようと決めていた」と喜んでいた。人数を限定した公演に「笑いは少量だった気がする」と振り返った。

冒頭では、セレモニーが行われ、桂文枝(76)西川きよし(73)中田カウス(70)桂文珍(71)が出席。文枝は「志村けんさんも亡くなって、70歳過ぎて年なので元気にもう1度舞台を踏みたいと思っていた。涙出そうです」と再開を喜んだ。

第1回公演は文枝ときよしのほかに、ミルクボーイ、学天即、テンダラー、モンスターエンジン、笑い飯、ティーアップ、トミーズが出演。漫才は中央にアクリル板を立て、マイク2本で披露。ミルクボーイ内海崇(34)がネタを間違えると、駒場孝(34)が「これが舞台が空いた芸人の姿」と笑わせた。