兵庫・宝塚大劇場の西隣に移転した宝塚ホテルが21日、新装開業し、式典に元月組組長で同ホテルの支配人を務める憧花(とうか)ゆりのさんが出席した。

憧花さんは00年入団の86期生で18年に退団。「退団して1年。再び戻ってきました。みなさまの夢の場所となりますよう、お越しを心からお待ち申し上げています」とあいさつした。

同ホテルは新型コロナウイルスの影響で開業日が5月14日から6月21日に延期となっていた。制服を着用し、開業初日を迎えたことに、憧花さんは「どんなときでも変わらないおもてなしで迎えたい」と意気込んだ。

組長時代を振り返り「70人の組子をまとめるのはすごく大変だった」と語った。その経験から支配人の仕事には「組子の意見をまとめながら1つの舞台を作ったということが生かされるのではないか」と考えている。宝塚歌劇団とのパイプ役を期待されており「いいアドバイスをさせていただけるかと思う」とも話していた。

宝塚歌劇は、宝塚大劇場の花組公演「はいからさんが通る」で、7月17日から再開する。同公演は花組新トップ柚香光(ゆずか・れい)の本拠地お披露目で、本来なら3月13日に開幕予定だったが、新型コロナウイルスの影響で4カ月遅れてのスタートとなった。

憧花さんは「そんな時期は誰も経験してないと思う。やっと再開が決まって、制限された形ではあるが、すばらしい舞台をお見せできるようお稽古してると思う」と話した。

「とにかく1つ1つ積み重ねて小さなことをできることからやって、無事に舞台に立ってほしい」とメッセージを送った。

同ホテルには、開業とともに多くの客が訪れた。広報担当者によると、レストランは満席、客室の稼働は午前中の時点で6~7割ほどだという。憧花さんは客に「いらっしゃいませ」と笑顔で声をかけていた。