宝塚歌劇団は19日、元雪組トップで専科スター轟悠(とどろき・ゆう)と、演出家の小池修一郎氏が7月18日付で理事を退任し、特別顧問に就いたと発表した。劇団によると、活動については「現状と変わらない」といい、今後も劇団作にそれぞれ出演、演出などとして携わっていく。

轟は85年入団。97年に雪組トップに就き、02年、同組トップを退いて「春日野八千代さん(故人)のような存在に」と請われて専科に異動。翌03年に劇団理事に就いた。

理事に就いた後も、歌劇作品に多く主演し、各組公演への主役級で出演。リアルな男を感じさせる演技は格別で、「男役の体現者」として、後輩にその姿を見せて導いている。昨年も「チェ・ゲバラ」に主演した。今年も出演予定作は決まっているが、新型コロナウイルスの影響で延期となっている。

また、17年には「For the people-リンカーン 自由を求めた男」で、第24回読売演劇大賞・優秀女優賞を受賞するなど、活躍を続けてきた。

小池氏は77年に入団。演出助手などを経て、86年に演出家デビューし、96年に、ドイツ語ミュージカルのヒット作「エリザベート」を手がけた。主演を「死」の象徴トートに置き換えて上演。同作は、後に再演が重ねられる劇団代表作のひとつになった。

「ロミオとジュリエット」「1789-バスティーユの恋人たち-」など、海外作品も多く手がけ、劇団100周年幕開け作「眠らない男 ナポレオン-愛と栄光の涯に-」も務めた。劇団外の作品も手がけ、「エリザベート」「ロミオ-」や、「モーツァルト!」「オーシャンズ11」など、外部作品でも多く演出を担っている。