NHK大阪放送局は28日、21年度後期連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の制作を発表した。朝ドラ史上初の3人のヒロインが登場する。

昭和、平成、令和の時代に、ラジオ英語講座とともに歩んだ祖母、母、娘の親子3世代を描く100年の物語で、京都、岡山、大阪が舞台。07~08年にかけて放送された「ちりとてちん」を手がけた藤本有紀氏によるオリジナル作品。8月から出演者オーディションを実施し、ヒロインの1人はオーディションで選出する。出演者の発表は冬ごろで、21年春ごろにクランクインを予定している。

戦争で夫と死別し、娘を置いてアメリカに渡るしかなかった祖母の「安子(やすこ)」、親と英語を憎みつつも、ジャズソングに救われて人生を切り開いた母の「るい」、時代劇の世界にあこがれながら、回り道をへてラジオ英語講座に自分の居場所を見つけた娘の「ひなた」。3人はラジオで英語を聞き続けることで、それぞれの夢へと進んでいく。「小さな1歩1歩を積み重ねることが、思ってもない人生を切り開き、明るく照らしていく」というメッセージがこめられているハートフルコメディー。

藤本氏は「1925年に日本でラジオ放送が開始されたその年に、英語講座は始まりました。その歴史をひもといていくことは、そこに100年の物語を見つけ出し、紡ぎ上げることと同義です。とても自然な成り行きで3世代のヒロインが誕生しました」とコメントを寄せた。