アナウンサー生活56年目の“ラジオ界の生ける伝説”高嶋ひでたけ(78)が今日10日にYouTubeチャンネル「イキナリ!ひでチャンネル」を開設、ユーチューバーデビューする。毎週月~金曜の週5回、午前8時に10分程度の動画をアップして行く。内容は視聴者から寄せられた川柳をもとに、高嶋がしゃべっていくスタイルだ。

このほど、日刊スポーツの取材に応じた高嶋は「YouTubeといっても、ラジオの番組だよね。奇抜なことはなしで、普通に出てきて普通にしゃべります。ずっとラジオで帯番組をやっていたので、いろいろ言いたいことも出てきた。勝手に思い出を話してもしょうがないので、視聴者に川柳をいただいて、しゃべっていこうと思っています」と説明する。スタジオにはマイク1本。背景は緑のスクリーンで、動画アップ時には竹林などの背景が付けられる。

高嶋は1965年(昭40)にニッポン放送に入社。スポーツアナウンサーとしてプロ野球中継を担当後、バラエティーに進出。「オールナイトニッポン」「大入りダイヤルまだ宵の口」「お早う中年探偵団」などを担当して、現在も「高嶋ひでたけのオールナイトニッポン月イチ」で“現役DJ”のしゃべりを披露している。70年代後半から80年代にかけては、フジテレビの歌番組「ビッグベストテン」などの司会を務めたが基本はラジオ。軽妙洒脱(しゃだつ)な語り口は、昭和、平成、令和と変わらないレジェンドアナウンサーだ。

「もう私より先輩のアナウンサーは徳さん(徳光和夫)と大沢悠里さんが2つ上、そのさらに1つ上に森本毅郎さんがいるくらい。ずい分長いですね。私の2つ下が、みのもんた、久米宏、それに亡くなった逸見政孝さんで、皆さん派手に活躍した。私みたいに、普通に長くやってるのがいいんだか、悪いんだか」と笑っている。

新型コロナウイルスによる自粛は「基本的には家ですごしてきたけど、毎日1時間半くらいは散歩に出てます。駅に行って新聞を買ったり、本屋に行ったり。家じゃ、ネットフリックスやWOWOWを見ていました。あとはYouTubeで、昔の相撲、野球、落語を見ていました」と言う。

流行のZoom飲み会にも誘われて参加した。「最初は画面越しなんてと思っていたけど、これが意外と楽しくてね」と笑う。いつまでも、リスナーと同じ目線で、物事に興味を持って面白がる。生涯アナウンサーの現役バリバリの新人ユーチューバーだ。

☆  ☆  ☆

◆高嶋(たかしま)ひでたけ 1942年(昭17)4月17日、神奈川県横須賀市生まれ。65年明大政経学部を卒業してニッポン放送入社。スポーツ、芸能番組のパーソナリティーとして活躍。おもな担当番組は、69年「オールナイトニッポン」、75年「大入りダイヤルまだ宵の口」、79年フジテレビ系「ビッグベストテン」など。90年10月に退社してフリーに。現在はニッポン放送「高嶋ひでたけのオールナイトニッポン月イチ」(毎月1回日曜深夜3時)を担当。169センチ。血液型B。