お笑いコンビ爆笑問題の太田光(55)が、日大芸術学部に裏口入学したと虚偽の記事を「週刊新潮」に掲載されたとし、新潮社に約3300万円の損害賠償と謝罪広告を求めて提訴していた、謝罪広告等請求訴訟(田中孝一裁判長)の判決公判が21日、東京地裁で開かれ、裁判所は、新潮社側に440万円の支払いと同社のインターネットサイトから当該記事を削除するよう命じた。一方で、太田側の謝罪広告の請求は棄却した。

10月1日の口頭弁論の際、初出廷した太田は、カメラを指さしたり「いいねポーズ」を作るボケを見せてから、約45分にわたって弁護士の質問に答えた。日大芸術学部入学について「幼い頃から映画、演劇の才能にたけていまして、言ってみれば天才ですよ。チャプリンに憧れて、日大芸術学部に入れればいいなと中学時代から思っていた。大学は人との出会いですよ。結局は田中(相方の田中裕二)くらいしか出会えなかったんですけど」と説明した。

12年に亡くなった父三郎さん(享年83)が裏口入学のために暴力団関係者に頭を下げ、金を渡したと報じられたことについて、三郎さんが裏金を渡していたことを否定できるか問われると「それは亡くなっているし、分からない」とした。その上で「何とも言えないけど、暴力が嫌いでプライドがある父親がヤクザにペコペコしてないと思う」。父の名刺が掲載されたことに「ああいう形でさらされたのは嫌だな。自分が有名なだけで、死んだおやじを傷つけて」などと語った。

そして「爆笑問題・太田光っていうタレントのイメージが分からないけど、何でも正直にやってきた。それをひきょうな手で入ったと言われた。田中とも出会って、やってきた道のりの重要なポイント。それがインチキで、ましてや暴力団に父親が頼んだと。悔しい思いがある」と口にしていた。

▼太田光日大芸術学部裏口入学報道裁判 週刊新潮が18年8月に「爆笑問題『太田光』を日大に裏口入学させた父の溺愛」と題した記事を掲載。太田が新潮社に約3300万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めて提訴。同年10月に第1回口頭弁論が行われ、その後は和解交渉が行われたが決裂していた。日大芸術学部は東京・江古田キャンパスに映画、演劇、放送、文芸、写真、音楽、美術、デザインの8学科で約3800人が在籍している。