北川景子(34)が12日、都内で行われた主演映画「ファーストラヴ」(堤幸彦監督、2月11日公開)完成報告イベントで、劇中で夫婦を演じた窪塚洋介(41)に対して“カリスマ”という印象を持ち、同い年の中村倫也ととともに恐縮していたと明かした。

まず北川は、劇中で義理の弟を演じた中村との共演について「同い年の役者さんと共演させていただくことって、あまりない。勝手にクランクイン前から、フランクにいって良いのかなと…同級生って感じがすごくしました」と撮影当時を振り返った。中村から「話していても『あの時のあれ…』が通じる」と返されると「ジェネレーションが一緒。見てきたものも同じ。窪塚さんはカリスマ、緊張するねと…」と窪塚に向かって笑みを浮かべた。

それを聞いた窪塚は「直接、言って!  無視されているかと思った」と突っ込んだ。北川は「話はしましたが、自分らしく出来たか…」と照れ笑いを浮かべた。

「ファーストラブ」は、作家島本理生氏が18年に直木賞を受賞した同名サスペンス小説の実写化作品。父親を殺害した容疑で逮捕された女子大生聖山環菜(芳根京子)の挑発的な言葉が世間を騒がす中、公認心理師真壁由紀(北川)は夫我聞(窪塚)の弟で弁護士の庵野迦葉(中村)とともに真の動機を探ろうと環菜への面会を重ねる。由紀は二転三転する供述に翻弄されながらも、環菜から過去の自分と似た何かを感じ、環菜の過去と自身の過去を知る迦葉の存在をきっかけに、心の奥底に隠した記憶と向き合う物語。

この日のイベントは当初、抽せんで当選した観客を呼び込む予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ウェブでの配信となった。北川と中村、芳根京子(24)と窪塚は、建物内に敷かれたレッドカーペットを歩いたが、当初、リムジンで会場入りする演出も見送られた。

北川はイベントの最後に「脚本を読ませていただき、大なり小なり苦しいこと、トラウマが100なら100人あると思った。苦しみに折り合いを付けて、みんな必死に生きているんだと思うと、それでいいんだと言ってもらった気がして(心が)軽くなった」と語った。その上で「20年は、いろいろなことがあって映画どころじゃないよ、という方も世の中にたくさんいらっしゃって…ご覧になってくださいと言って良いか、分からないんですが」と、コロナ禍の現状で映画を公開することへの、複雑な心情を吐露した。

そして「この映画を見ていただいた時に、これでいいんだよとか、ちょっとだけ進んでみようかな、と思っていただけたらいいなと。何も気にせず、映画館に来て下さいと言えないことが心苦しいんですが、一生懸命、皆さんに届くように作った作品ではあるので、見ていただける方には、ぜひ劇場で見ていただきたい」と切々と訴えた。