音楽家坂本龍一(69)が直腸がんを患っていることを21日、公式ホームページで発表した。すでに手術を終えており、治療中という。

坂本は、14年7月に中咽頭がんであることを公表し、一時活動を休止。治療に専念し、15年8月に映画「母と暮らせば」の音楽で仕事復帰し、同9月にラジオで復帰して以降は、活動も精力的に行ってきた。

この日の発表で坂本は「2014年に罹患(りかん)した中咽頭がんは6年を経て寛解し安堵(あんど)していましたが、残念ながら、新たに直腸がんがみつかりました。大いに落胆しましたが、すばらしい先生方との出会いもあり、無事手術を終えて現在は治療に励んでいます」と報告した。

関係者によると、昨年に自覚症状があり、検査したところ判明。1月に入って、がんの部位を切除する手術を行ったという。所属事務所の発表によると、現在も入院加療中という。

坂本はコロナ禍での治療に「未曽有のパンデミック下で医療機関、医療従事者、関係者のみなさまのご苦労が多いなか、真摯(しんし)に患者に向き合う姿勢にはただただ頭が下がるばかりです」と感謝した。

今後については、治療を受けながらできる範囲で仕事を続ける予定でありつつも「長距離移動がともなう仕事は困難になります。(中略)場合によっては、キャンセルさせていただく必要があるかもしれません」としつつ「これからは『がんと生きる』ことになります。もう少しだけ音楽を作りたいと思っていますので、みなさまに見守っていただけたら幸いです」と強い思いもつづった。

坂本は19年には、がん保険のCMにも出演し、がんと診断された時の思いなどを明かしていた。

◆坂本龍一(さかもと・りゅういち)1952年(昭27)1月17日、東京都生まれ。東京芸大在学中にスタジオ・ミュージシャンとして活動開始。78年結成のYMOがブームに。88年「ラストエンペラー」でアカデミー作曲賞。89年にはグラミー賞オリジナル映画音楽アルバム賞。99年のCM曲「energy flow」がインストゥルメンタル初の売り上げ100万枚を記録するなど、数々の賞や記録を持つ。

坂本龍一「もう少しだけ音楽作りたい」はこちら―>