今年も、9人組ガールズグループNiziUの勢いが止まらない。昨年12月2日に「Step and a step」でデビューし、大みそかのNHK紅白歌合戦に初出場。同6月に配信したプレデビュー楽曲「Make you happy」のスマッシュヒットなど、怒濤(どとう)のデビュー1年目となっただけに、今年が“勝負の年”に思われるが、むしろ昨年より、NiziUの魅力は増すばかりだ。

先月20日の“ニジューの日”には、今年の活動予告動画「We need U2021」が公開された。ショーケースや、ファッションコラボ、ファーストアルバムなど、多岐にわたる内容だ。その内の1つ、2枚目のシングル「Take a picture/Poppin’Shakin’(テイクアピクチャー/ポッピンシェイキン)」(4月7日発売)は、1日に情報解禁された。初の両A面シングルで、両曲とも、大型CMタイアップが決定し、テレビでNiziUを見ない日はない。

そんな目まぐるしい活躍を見せる9人だが、筆者が大きな驚きを覚えたのは、同シングルの「WithU(ファンクラブ)盤限定メンバーソロジャケット」。「Take-」だけに、それぞれ、自身でシャッターボタンを押したような9枚がジャケットになっているが、昨年までの“新人”のイメージをガラッと変える、表現力の豊富さに驚いた。

中でも一番衝撃を受けたのは、リーダーのMAKO(19)。9枚の写真で同じような顔や、表現が1つもない。もともとMAKOは、パフォーマンス時も全身を使って表現することが得意だが、ジャケット写真でここまで魅了させる表現力の豊かさに脱帽した。

一方で、MAKOは楽曲を「『Take-』では笑顔はじける明るいエナジーを、『Poppin'-』では“私たちと一緒に、みんなで楽しもう!”というポジティブなメッセージをお届けします♪」と紹介している。

「Poppin'-」は、10日に放映開始された、ソフトバンク「NiziU LAB」の楽曲に使用されているが、これまでとは、ひと味違ったポップでかわいい曲調だ。公開されたメーキング動画では、MAYUKA(17)が「AYAKA、これ開きすぎかも」と、アドバイスを送っており、オーディション時と同じく、9人で良い物を作る姿勢に変わりはなかった。

「Take-」は、アップテンポな曲調で、年始から放映されている、コカ・コーラの新CMソングに起用されている。高音を得意とするメンバーの美声が、楽曲にさらに彩りを加えている。両企業とも大企業なだけに、企業から見たNiziUのブランド力も、かなり期待が寄せられているのだろう。

そして、驚くことに、デビュー後のカップリング曲を含めた全楽曲は、タイアップが決定している。今回の収録曲の3曲目は(本稿を執筆している14日時点では)、未定となっているが、タイアップが決定していれば、これもまた“異例”だろう。

筆者が衝撃を受けたジャケット写真撮影などは、日本で行われたが、現在は渡韓し、現地の高い技術でMVなどを撮影している。

そんなグローバルガールズグループに、風当たりが強い意見があるのも事実だが、それほど、注目度が高いということでもある。それを追い風にできるかどうかは、今年1年の活動が、非常に重要になってくる。

言わずもがな、そのことをMAKOが一番、理解しているのではないか。「Joyful」が使用された、コーセーのCMインタビュー動画では、今年の目標を「アーティストとして、いろんな経験をして、いい『結果』を残せていけたらいいなと思っています!」。MAKOは「結果」という2文字をよく、口にする。デビュー間もないアーティストが、この2文字を言葉にするのは、あまり例を見ないが、このグループには、底知れぬ“自覚と覚悟”がある。

そんな今年は「FIRST ENGLISH SONG」や「NiziU REALITY SHOW」など、まだまだ新しい一面を見られそうな機会が残されている。日本だけでなく、より“グローバル”な活動にも力を入れ、さらに勢いが加速しそうだ。

新曲が発売される4月7日の3日前には、MAKOが、グループ初の20歳を迎える。昨年12月には「まだこれから、もっともっと、私たちが成長して、もっとすてきな姿をお見せしたいなって思っています」と、リーダーはアクセル全開だ。

まだ2月だが、彼女たちの勢いや活躍は、すでに昨年を超えていると言えるだろう。今年1年も、“虹”のように輝くことを願っている。【佐藤勝亮】