4月より、レコード会社をテイチクエンタテインメントからユニバーサルミュージックへ完全移籍し、年内にオリジナルアルバムを発売することを発表した和田アキ子(71)を先日、取材した。

歌手生活53年。「チャンスをいただけて、名前だけでも知ってもらえているのがありがたい」と感謝を口にした。

移籍後第1弾となる、新アルバムでは、シンガー・ソングライターさかいゆう(41)トリオバンドOvall、ラッパーのRin音(22)ソウルバンドWONKなど、世代やジャンルを超えたアーティストたちが和田に楽曲を提供。異色のコラボが実現する。

今まで、アルバムを作成する際、「自分から『こうしたい』と言ったことがない」という和田。レコーディングはすでに始まっているというが「今回もどういうのが出来上がるのか全くわからない。彼らが提供してくれる曲を、彼らの思うとおりに歌いこなせるのか、楽しみ」と声を弾ませた。

移籍に伴って行われたアーティスト写真撮影では、2899枚という、和田の人生で最も多い撮影総数を記録。その中から1枚が選ばれたという。膨大な撮影総数の中から一体、どんなこだわりや、イメージを持って、1枚を選んだのか、気になったため聞いてみたが、和田は「どう?」と同席したマネジャーに逆に尋ね、不思議そうな様子を見せた。するとマネジャーが「基本アッコさんって、プロに任せるタイプなので、自分では選んでないんです」と返答した。和田は撮影総数など気にする様子もなく「(撮影時間は)あっという間の1時間でした。どんな写真が出てくるかわからないんですけど」と笑い飛ばした。

「プロに任せる」という思い切り。そのスタイルに魅力を感じた。

「任せる」のは「信頼」がないとできない。「信頼」があるからこそ、「任せる」ことが出来る。和田の冠番組「アッコにおまかせ!」では昨年、生放送バラエティー番組の司会者最長放送でギネス記録に認定された。ニッポン放送の「ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回」(土曜、午前11時)では今年で31年目に突入。これら、偉業と呼べる数字にも、和田は「ありがたいです」と低姿勢に感謝を述べた。周囲の力を信頼して“任せるところはしっかり任せる”という一貫したスタイルや、周りへの感謝の気持ちを忘れずにいる和田だからこそ、達成できたものなのだろう。【三須佳夏】