上方歌舞伎を代表する女形として活躍した歌舞伎俳優で人間国宝の片岡秀太郎(かたおか・ひでたろう)さん(本名片岡彦人=かたおか・よしひと)が23日午後0時55分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため、大阪府吹田市の自宅で亡くなった。79歳。葬儀、告別式は家族葬で行われた。27日、松竹が発表した。

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秀太郎さんが亡くなったことを受け、弟片岡仁左衛門(77)と養子の片岡愛之助(49)が27日、松竹を通じてコメントを発表した。仁左衛門は「兄は当人の理想通りの最期を迎えられ、安らかに旅立ちましたことが私たちどものせめてもの救いでございます」、愛之助は「父は私を歌舞伎の世界に、松嶋屋に入れてくださった大恩人であります。普段はとても優しいのですが、芝居の事になるととにも角にも厳しい方でした。上方の歌舞伎に情熱を注がれていました。なお一層、秀太郎イズムを踏襲したいと思っております」。