菅野美穂(43)が28日、神奈川・イオンシネマみなとみらいで行われた映画「明日の食卓」(瀬々敬久監督)初日舞台あいさつで、夫役の和田聰宏(44)から、水が汚かった子ども用のプールに全力で突っ込んだ姿勢をたたえられた。

11年「ジーン・ワルツ」以来、約10年ぶりに映画に主演した菅野は、神奈川在住で悠宇ら2人の息子を育てつつ、フリーライターの仕事を再開する石橋留美子を演じた。劇中で、留美子がリビングにビニールプールを入れてビシャビシャに水を飛ばして遊ぶ息子と夫豊に激怒するシーンがある。和田は、そのシーンについて「僕が暴力をふるうシーンなんですけど…プールの水、汚ったなかったんですよ。全然、替えないんですよ、この監督」と瀬々敬久監督を批判した。同監督が「君、入ってないじゃないかよ!」と言い返すと、和田は「僕は、すごく心配していたんですよ、菅野さんがそこに入るのに監督が、そんなこと気にしないで、お菓子とか、子供が足でガシャガシャやったりとか、汚ったないんですよ」と当時の撮影現場の状況を明かした。その上で「でも、菅野さんは、それで『全力で入れて下さい』と言うんです。僕は(思いに)応えて思いっきりやってあげました」と菅野をたたえた。

自身、5歳の長男と2歳の長女の母親である菅野は「夫婦のことって、2人だけにしか分からないことがあって。育児って本当に毎日、ギリギリ…綱渡りしていても、ちょいちょい落ちる…怒りも、私も分かりますし」と自身の実生活と重ねて語った。その上で、和田とのシーンを振り返り「ケンカのシーンは確かに、すごかった。台本を読んでいても極限状態のところだった。和田さんが、しっかり受け止めてくださったので、全力で出来たのかな」と感謝した。

また、菅野は撮影現場でフェイスシールドを着け忘れたことがあったと明かした。映画はコロナ禍真っただ中の8月18日にクランクインし茨城、千葉、埼玉、都内近郊で撮影して9月7日にクランクアップしていた。菅野は「フェイスシールドを着けての初めての現場でして。和田さんが、ずっと撮影されてて、慣れていて。私は、つい忘れて話しかけて、申し訳なかったなと。今、ここで公に謝らせてください。失礼しました」と謝罪。和田は「はい」とサラッと返した。