濱口竜介監督(42)の新作長編映画「ドライブ・マイ・カー」(8月20日公開)が、世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを争うコンペティション部門に出品されることが3日、決まった。同日、フランスで開催された会見で発表された。「ドライブ・マイ・カー」は、作家・村上春樹氏(72)の短編小説の映画化作品。同監督の作品が同部門に出品されるのは、商業映画デビュー作となった18年「寝ても覚めても」以来、3年ぶり2度目となる。

濱口監督は「先日完成を迎えた映画『ドライブ・マイ・カー』が、第74回カンヌ国際映画祭オフィシャルコンペティションに選出されました。歴史あるこの映画祭で、多くの観客がこの映画と初めて出会うことを想像して湧き上がるような興奮を感じています」と喜びのコメントを発表した。その上で「この映画に写った素晴らしい俳優たちの演技を、そこから世界に向けて示せることにワクワクします。この映画に携わったすべてのキャスト・スタッフ、そして原作者の村上春樹さんにこの場を借りて、心からの御礼を申し上げます。本当にありがとうございました」と、村上氏に感謝した。

カンヌ映画祭は20年はコロナ禍で開催を見送り、今年も5月11~22日に予定していたが7月6~17日に延期となった。今年もコロナ禍は世界的に続いているが、濱口監督は「未だコロナ禍の困難な状況下ではありますがカンヌの地を、ともにこの映画を作った仲間たちと踏むことができたらこの上なく幸せなことです。今は上映のその時を心待ちにするばかりです」とカンヌ行きを熱望した。

劇中で主人公家福(かふく)悠介を演じる西島秀俊(50)は「濱口監督、おめでとうございます。沢山の皆さんに観て頂けることを祈っております」と祝福のコメントを寄せた。